平成26年8月5日 (火)
 広島大学理学部E棟1階 E102 講義室

「○は異なもの味なもの」角皆 宏 氏
「生物物理学と数学」粟津 暁紀 氏
「グラフ理論と距離の話し」澁谷 一博 氏

1. 趣旨

現在、私たちが学校で学んでいる算数・数学は四千年以上の年月を超えて受け継がれてきました。特にこの四百年の間の進展はめざましいものがあり、私たちの興味に応じてかなり深い内容についても学ぶことができる環境が整っています。大学では今、この流れの中で数学に魅せられた人々が日々数学を学び、研究しています。なぜ、数学を面白いと感じるのでしょうか。それは人それぞれです。各先生方のお話を通じて、数学に触れ、全身で数学を感じて下さい。そして数学の面白さを改めて発見してみましょう。そのような機会としていただこうと思いこの公開講座を企画致しました。

2. 受講対象者

高校生 (学年不問) 及び数学に関心のある方

3. 受講料

無料

4. 実施場所

広島大学理学部E棟1階 E102講義室 (東広島市鏡山1-3-1) (交通案内と宿泊の案内)



5. スケジュール

8 月 5 日 (火)
9:15 ―     受付
10:00 ― 10:10 開講式
10:10 ― 11:40 「○は異なもの味なもの」角皆 宏 氏
11:40 ― 13:00 昼休み,特別懇談昼食会
13:00 ― 14:30 「生物物理学と数学」粟津 暁紀 氏
15:00 ― 16:30 「グラフ理論と距離の話し」澁谷 一博 氏
16:30 ― 16:40 修了式

6. 講師・講義内容の紹介

「○は異なもの味なもの」

角皆 宏 氏
「異なもの」とは「不思議なもの」、「味なもの」とは「面白いもの」。高校の「2次式の数学」の主役である円の方程式を舞台に上げ、代数的・解析的・数論的・幾何的な様々な見方を関連させて、その不思議と面白さとに迫りつつ、大学の「n次式の数学」へと繋げていきます。

♦ 講師自己紹介
角皆 宏(つのがい ひろし)
上智大学 理工学部 教授
専門は整数論です。 整数論は壮麗な理論研究と計算機などを用いた実例計算とが表裏一体、 両輪となって魅惑的な世界を築いています。 自分では手触りのある数学が好みで、 色々な対象が具体的に計算できたら面白いな、 と思って研究しています。

「生物物理学と数学」

粟津 暁紀 氏
あらゆる生物の最小単位である細胞は、タンパク質・脂質・核酸(DNA・RNA)・糖などの様々な分子が物理・化学的に相互作用し合う、複雑な「分子の社会」であります。日頃私たちが目にする様々な生物の振る舞いは、物理法則に従って実現する分子社会現象であり、その法則と現象の間の関係を言語化し読み解くことが、数学の一つの重要な役割となっています。そこで近年世界的に急速に進展している、生物の仕組みに対する数理科学的研究の一端を紹介し、様々な場面で活躍する数学の姿を紹介したいと思います。

♦ 講師自己紹介
粟津 暁紀(あわず あきのり)
広島大学 大学院理学研究科 准教授
自然界で起こり得るあらゆる現象に潜むメカニズムを知りたいと思いつつ、 現在は最も複雑な自然現象の一つである生物の振る舞いを、数理的に研究しています。

「グラフ理論と距離の話し」

澁谷 一博 氏
路線図で都市間が線で結ばれた図を見たことがあると思いますが、一般に点が辺で結ばれているものをグラフと言います。社会における現象(渋滞、バイオ等)をグラフ理論を通して見ることで、一見すると違う現象がグラフ理論を通して一つの言葉で理解できることを紹介します。また、二点間の距離というのは通常はどちらの点から見ても同じですが、どちらから見るかで距離が変わってしまうという状況は想像できるでしょうか? そのような現象はいつ起きているのでしょうか? 数学的な距離という概念を解説し、どちらの視点から見るかで距離が変わるという考えが社会現象を捉えるのに有用で新しい見方を与えてくれることを、例を通して紹介したいと思います。最後に様々な問題に共通する本質的な部分に着目し抽象化して理論を構築し、さらに他の問題に応用していけるという数学の強みの一端を感じてもらいたいなと思っています。

♦ 講師自己紹介
澁谷 一博(しぶや かずひろ) 
広島大学 大学院理学研究科 准教授
広島へきて5年が経とうとしていますが北海道出身のため夏の暑さにはまだ慣れません。 専門は微分幾何学で純粋数学を研究していますが、 最近になって数学を社会問題に本格的に応用するというようなプロジェクトにも関わるようになりました。 今回の話はその過程で出てきたものです。

7. 企画

お昼休みに、教員の方を対象として、 高校教育と大学教育の情報交換のための
 特別懇談昼食会「高校教育と大学教育の接点」
を開催いたします(990円の昼食代は自己負担になります)。

8. 募集人員 

180名
(一般の方と高等学校からの一括でのお申し込みとの合計です) 

9. 申込方法

この公開講座の受講申し込みは、 広島大学エクステンションセンターで受け付けています。詳しくは下記の募集要項をご確認ください。お申し込みいただいた方には、受講票と本講座のテキストを送付いたします。テキストの発送は7 月中旬の予定です。平成 26 年 7 月 9 日(水)(当日消印有効)までにお申し込みください。締め切り以降でも可能な限り受け付け致しますが、テキストの発送が遅れることがあります。また、募集人員を超えた場合にはご希望に添えないことがございます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

LinkIcon募集要項(一般の方向けご案内) LinkIcon公開講座申込書
LinkIcon募集要項(高等学校からの一括申し込みのご案内)

10. 問い合わせ先

〒739-8526 東広島市鏡山 1-3-1
広島大学理学部 数学教室 公開講座係
電話: 082-424-7350 (数学教室事務室)
FAX: 082-424-0710 (数学教室事務室)
電子メール:koukai@math.sci.hiroshima-u.ac.jp

11. リンク

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