広島大学理学部数学科 代数数理講座

2018年度の代数学セミナー

開催場所は広島大学理学部 B 棟 B701号室です。
通常の講演時間はおよそ 1 時間半です。

今後の予定

111(金)15
尾白 典文 氏(広島大学)
非退化エルミート曲面の有理曲線族と40次元極値的2型格子について
講演者の二つの研究について紹介します.
一つは有限体F_qの代数閉包上で定義された次数q+1の非退化エルミート曲面に含まれる次数q+1以下の平面的でない有理曲線の集合に関する研究結果について,
そしてもう一つは極値的2型格子に対する島田伊知朗氏の構成法からノルム4の40本の直交ベクトル系を含まない40次元極値的2型格子が得られることについてお話しします.
118(金)15
平川 義之輔 氏(慶應大学)
超楕円曲線上の有理点問題
この講演では, 有理数体上定義された超楕円曲線上の有理点集合を決定する問題の具体例として, 最近, 講演者が松村英樹氏との共同研究で得た定理群を紹介致します. より正確には, 有理点を2つしか持たない超楕円曲線の無限族の構成や, 周の長さ同士が等しく, また面積同士が等しい整数辺直角三角形と整数辺二等辺三角形の組の決定ができたので, これらの定理を紹介致します. これらの定理の証明では, (Casselsらにより開発された) 2-降下法によるJacobi多様体のMordell-Weil階数の評価に加え, 前者ではLutz-Nagellの定理の高種数化 (Grantの定理), 後者ではMordell予想の定量的な精密化 (Colemanの定理) が中心的な役割を果たします.
21(金)15
荒武 永史 氏(京都大学数理解析研究所)
分類トポスとモデル理論
圏論的論理学は、数理論理学における種々の概念に圏論的解釈を与えることで、論理学的対象と圏論的対象とを相互の手法を用いて研究する分野である。本講演では、数理論理学の一分野である「モデル理論」と圏論的論理学との関係性について概説する。まず初めに数理論理学(古典一階述語論理)の基本的な概念を導入し、圏論的論理学におけるそれらの圏論的解釈を与える。特に、(群・環・体・順序集合などの)公理系に対して、分類トポスと呼ばれる圏を構成する。そして、2つの公理系が“モデル理論的に等価”であるためには、それらの分類トポスが圏同値であることが必要十分であるという講演者の結果について述べる。公理系のモデル理論的性質と分類トポスの性質との関係性は研究の余地が多く残されており、講演の最後ではいくつかの研究の方向性と数学への応用の可能性について言及する。

これまでの記録

511(金)15
中川 貴裕 氏(芝浦工業大学)
階数2の微分作用素の分解
微分作用素の分解については微分ガロア群を計算する上で重要であり、いろいろ研究されている。 今回の発表では有限体上での微分作用素の分解を van der Put の結果を用いずに直接計算することによって求める。 これを利用して $Q(x)$ 上の階数2の微分作用素の分解の構造を有限体上の微分作用素の p-curvature の係数を用いて表す。 応用として超幾何微分方程式や heun equation の特別な場合に対して微分作用素の分解を調べる。
525(金)15
飯島 優 氏(広島大学)
On an exact sequence relating the combinatorial anabelian geometry of hyperbolic curves
In this talk, I survey the combinatorial anabelian geometry of hyperbolic curves, and discuss an exact sequence relating the combinatorial anabelian geometry.
615(金)1620 第2ターム中はいつもと時間が違います。
大下 達也 氏(愛媛大学)
Dedekind環の無限次拡大環の分数イデアルと上半連続関数のモノイドについて
整域 R の分数イデアル全体のなすモノイドを単項分数イデアル全体のなす部分群で割って得られるモノイドをRのイデアル類半群と呼ぶ.これまで,Bazzoni氏をはじめとする様々な数学者により,Dedekind環とは限らない整域についてのイデアル類半群の構造が研究されてきた.最近では,許斐豊氏と森澤貴之氏により,有理数体の円分Z_p拡大の整数環のイデアル類半群の構造について,数論的,Galois理論的な観点からの研究がなされている.
本講演では,R がDedekind環の整拡大で得られる(一般に非Noetherな)1次元整閉整域の場合について,R の極大スペクトラムに適切な位相を入れた位相空間上で定義された,ある全順序モノイドに値をとる上半連続関数を用いることで,Rの分数イデアルのなすモノイドや可逆イデアルのなす群を「自然に」記述できるという講演者による結果を紹介し,この結果のイデアル類半群の構造の研究への応用について述べる.
720(金)1620 第2ターム中はいつもと時間が違います。
Noriko Yui 氏 (Queen's University)
Supercongruences for rigid hypergeometric Calabi–Yau threefolds
I will cosider the 14 one-parameter families of Calabi–Yau threefolds defined over $\mathbb{Q}$, which are realized as mirrors of another one-parameter families of Calabi–Yau threefolds with the Hodge number $h^{1,1}=1$. The Picard–Fuchs differential equations of these mirror families are of order 4 of hypergeometric type. At a special fiber, these mirror Calabi–Yau threefolds will become rigid, i.e., $h^{2,1}=0$. These are the 14 rigid hypergeometric Calabi-Yau threefolds in the title.
In this talk, I will present two proofs to the supercongruences for the 14 rigid hypergeometric CalabiYau threefolds defined over $\mathbb{Q}$. One proof is based on Dwork’s theory of unit roots, and the other one on hypergeometric motives. The existence of such supercongruences was conjectured (based on numerical evidence) by F. Rodriguez-Villegas in 2003.
This is a joint work with Ling Long, Fang-Ting Tu and Wadim Zudilin.
1026(金)15
植田 一石 氏(東京大学)
Moduli of K3 surfaces as moduli of A-infinity structures
We show that moduli spaces of lattice polarized K3 surfaces associated with exceptional unimodal singularities arise as moduli spaces of A-infinity structures on particular finite-dimensional graded algebras.
This is a joint work with Yanki Lekili.
112(金)1620 分 於 B707 号室 いつもと場所と時間が違います。
東谷 章弘 氏(京都産業大学)
整凸多面体のδ列のunimodal性について
整凸多面体Pのn倍に含まれる整数点の個数の数え上げ函数の母函数に現れる非負整数列をPのδ列と呼ぶ。一方で、実数列(a_0,a_1,…,a_d)がunimodalであるとは、あるkが存在してa_0からa_kまで単調増加でa_kからa_dまでが単調減少となっているときに言う。可換代数におけるある予想に端を発し、近年、整凸多面体のδ列のunimodal性に関する研究が盛んにおこなわれている。本講演では、整凸多面体のδ列のunimodal性に関する最近の結果について紹介する。
1221(金)15
辻村 昇太 氏(京都大学数理解析研究所)
組み合わせ論的Belyiカスプ化とGrothendieck-Teichmuller群GTの数論的部分商
望月新一氏によって、p進局所体上の(狭義Belyi型と呼ばれる特別な種類の)双曲的曲線の閉点に付随する分解群を復元する〝Belyiカスプ化"という技術が開発されました。講演ではこのBelyiカスプ化を簡単に復習した後、Belyiカスプ化のある組み合わせ論版について議論したいと思います。またその応用として、Y.Andre氏によって定義されたp進Grothendieck-Teichmuller群GT_pから、Q_pの絶対Galois群への全射、及び、Qの最大Abel拡大の絶対Galois群のGTにおける正規化群からQの絶対Galois群への全射が構築できることを紹介したいと思います。