広島大学理学部数学科 代数数理グループ

2020年度の代数学セミナー

今年度はしばらく Zoom で行う予定です。
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通常の講演時間はおよそ 1 時間半です。

今後の予定

1211(金)15
東根 一樹 氏 (山形大学)
A criterion for the existence of a plane model with two inner Galois points for algebraic curves
射影平面代数曲線Cに対し,平面内の点P中心の射影が誘導する関数体の拡大がGaloisであるとき,PをCのGalois pointという.Galois point PがCの点(resp.非特異点,特異点)であるとき,Pをinner Galois point(resp.smooth Galois point,non-smooth Galois point)という.2016年,深澤知氏(山形大学)は,「smooth Galois pointを(少なくとも)2つもつような,非特異射影代数曲線の平面モデル」が存在するための必要十分条件を自己同型群とその作用を用いて記述した.この判定法により,自己同型群の構造に着目することで,2つ以上のsmooth Galois pointをもつ新たな例が構成された.一方,Galois point研究において,non-smooth Galois pointを複数持つような例は時折見受けられるが,non-smooth Galois pointに焦点を当てた研究はそれほど多くはない状況であった.

本講演では,上記深澤氏の判定法のinner Galois pointへの拡張について紹介する.これにより,(non-smooth Galois pointの場合を含めた)すべての場合へ判定法が拡張された.また,inner Galois pointを2つもつ場合に,その2点の重複度や,2点を結んだ直線の様子がGalois群の情報を用いて記述できることを述べる.さらに,この判定法を用いて,non-smooth Galois pointを2つもつ平面有理曲線の例の構成を行う.

これまでの記録

109(金)15
高橋 宣能 氏 (広島大学)
カンドル空間上の加群と Lie-山口代数の表現
カンドル(quandle)とは二項演算によって定まるある種の代数系であり、例として群(あるいはその中の共役類)において共役操作を演算としたものがある。可微分多様体・代数多様体などに(可微分/正則な)カンドル演算を与えたものをカンドル空間と呼ぶことにする。カンドル空間のうち、特に性質の良い「正則 s 多様体」は、Lie-山口代数という有限次元の代数によって局所的な記述ができる。

本講演では、以上のことについて解説した後、正則 s 多様体 Q 上の「正則」という条件を満たす加群とLie-山口代数の表現の対応について述べる。応用として、Q を GL(2) における一般の共役類として、Q 上の rank 1 の加群の分類について述べる。
1030(金)15
吉田 雄亮 氏 (広島大学)
原始的単純群を自己同型群にもつ非特異射影平面曲線
代数曲線の自己同型群は、代数幾何学の中でも古くから研究されているテーマのひとつである。近年、春井氏によって非特異射影平面曲線の自己同型群の分類定理が与えられた。分類におけるひとつの場合として「群が原始的(primitive)な場合」がある。特に、群Gが単純かつ原始的な場合にはA_6、A_5、PSL(2,F_7)のいずれかと同型であり、これらの群の不変式論は19世紀の後半以降、詳しく調べられている。そこで、このような群Gを自己同型群に持つような非特異射影平面曲線について考察した。結果として、そのような曲線が存在する次数をすべて決定できた。また、非特異に限らず、被約かつ既約である場合にも同様の考察を行い、自己同型群が群Gを含むような曲線が存在する次数も決定できた。

本講演では、これらの結果と証明の手法について解説を行う。
1113(金)15
米田 好佑 氏 (広島大学)
Singularities of the dual curve of a certain plane curve in positive characteristic
複素平面曲線に対しガウス写像は双有理であることはよく知られている。だが一方で正標数においてガウス写像は双有理であるとは限らない。本講演では、qを素数の冪とするとき、ガウス写像の非分離次数がqであるq^2+q+1次のある曲線の双対曲線について紹介する。また特別な場合として、q^2+q+1次のFermat曲線の双対曲線とBallico-Hefez曲線の関係についても述べる。