談話会アブストラクト(7/14)



「力学系と不変幾何構造」

名古屋大学多元数理科学研究科
金井雅彦

力学系、あるいはより一般に群作用が与えられたとき、その作用
で不変な幾何構造の存在を問題とする。この問題の背景には次の
ような経験的事実がある --- 「大きな」群作用で不変な幾何構
造は「対称性」を有する。したがって、もし与えられた群作用に
対し、それにより不変な幾何構造を見いだすことが出来るならば、
その不変幾何構造の対称性を介して、与えられた群作用自体の
「対称性」が帰結される可能性が示唆される。すなわち、最初与
えられた群作用が対称性の高い特殊なものであることが結論され
るはずである。本講演ではこの方法で証明された「剛性定理」を
いくつか紹介する。



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