2025年度金曜セミナー@対面(理A202) or オンライン


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  • 第1回

    日時:2025年4月25日 15:00~

    場所:理A202

    講演者:栗栖 大輔 氏(東京大・空間情報科学研究センター)

    講演題目:非ユークリッドデータの因果推論

    講演内容:因果推論の方法として知られる差の差法(Difference-in-Differences, DID)と合成コントロール法(Synthetic Control, SC)について,アウトカムがユークリッドデータの場合を扱う従来の枠組みをより一般の場合に拡張することを考える.具体的には,DIDとSCをアウトカムが距離空間に値をとる場合に拡張する.拡張にあたり測地線を用いた因果効果の導入し,その推定方法を Geodesic DID (GDID), Geodesic SC (GSC)として提案する.GSCについては,時間があれば,(1) 回帰モデルを組み込んだ Augmented GSC, (2) GDIDとGSCを組み合わせたGeodesic Synthetic DID についても紹介する.また応用例として,アウトカムが組成データの場合と確率分布の場合のデータに提案手法を適用した結果についても紹介する.

  • 第2回

    日時:2025年6月20日 15:00~

    場所:理A202

    講演者:森川 耕輔 氏(Iowa State University)

    講演題目:Data Integration With Biased Summary Data via Generalized Entropy Balancing

    講演内容:Statistical methods for integrating individual-level data with external summary data have attracted attention because of their potential to reduce data collection costs. Summary data are often accessible through public sources and relatively easy to obtain, making them a practical resource for enhancing the precision of statistical estimation. Effective utilization of summary data can enhance estimation precision, thereby saving both time and resources. However, incorporating external data introduces the risk of bias, which mainly arises from potential differences in background distributions between the current study and the external source. Model-based approaches, such as mass imputation and propensity score balancing, have been developed to integrate external summary data with internal individual-level data while mitigating these biases. Nonetheless, these methods remain vulnerable to bias resulting from model misspecification. In this talk, we propose a methodology utilizing generalized entropy balancing, designed to integrate external summary data even when derived from biased samples. Our method exhibits double robustness, offering enhanced protection against model misspecification. We illustrate the versatility and effectiveness of the proposed estimator through an application to the analysis of Nationwide Public-Access Defibrillation data in Japan.

  • 第3回

    日時:2025年7月18日 13:00~ (いつもと時間が異なるのでご注意ください)

    場所:理E209(いつもと場所が異なるのでご注意ください)

    講演者:伊師 英之 氏(大阪公立大)

    講演題目:置換対称性をもつ多変量正規分布について

    講演内容:多変量正規分布にしたがうデータが,成分の置換に関してどのような対称性をもつかを考えたい.そのような統計モデルのパラメータ空間は,置換対称性をもつ正定値実対称行列の集合であり,対称錐となっている.この対称錐に対応するジョルダン代数の構造を有限群の表現論を用いて記述することにより,与えられたデータに適合する対称性を探索するモデル選択や,指定されたモデルにおける最尤推定量の計算が明示的に実行できることを示す.

  • 第4回

    日時:2025年11月14日 15:00~

    場所:理A202

    講演者: 入江 薫 氏(東京大学大学院経済学研究科)

    講演題目:異常値に頑健な線形モデルの事後分析

    講演内容:線形(回帰)モデルにおいて最小二乗推定量が異常値に対して敏感であるという事実は古くから知られており、その対策については多くの先行研究がありロバスト統計と呼ばれる。一方で、点推定に限らず、区間推定などによる不確実性評価や予測・意思決定を含めた広範な統計的分析を異常値から保護するには、パラメータの点推定量ではなく事後分布(事後密度関数)のロバスト性を議論する必要がある。この野心的なロバスト性を達成するには、通常のロバスト統計と同様に、裾の厚い誤差分布を用いて異常値を誤差として説明することが重要である。ただし、誤差分布としてよく用いられるステューデントのt-分布では裾が十分に厚いとはいえず、対数正規変動関数を用いた(対数項を含むような)密度関数でなければロバスト性を達成できない。これらの性質は2010年代以降の一連の研究によって明らかになっている。 本講演では線形モデルの事後分布のロバスト性について、羽村靖之氏(京都大)と菅澤翔之助氏(慶應大)との一連の共同研究にもとづいて解説する。具体的には、階層構造をもつ線形モデル、計数データを中心とした一般化線形モデル、多変量線形モデルと共分散の推定という、三つのテーマをとりあげる。階層線形モデルのロバスト化においては、単に誤差分布を超裾厚に取り換えただけでは事後分布の計算が複雑になり応用に適さないことから、正規分布の尺度混合によって超裾厚性を達成し、かつギブスサンプラーによる簡易な事後計算を可能するための工夫について述べる。計数データの分析においては、これまで別に議論されていた過剰ゼロの問題を取り上げ、異常値の枠組みで統一的に議論できることを紹介する。多変量線形モデルでは変数間の相関パラメータに関するロバスト性が問題になり、これまで考えられてこなかった共分散行列のモデリングが必要となることを解説する。

  • 第5回

    日時:2025年12月5日 15:00~(45分の講演が二件あります)

    場所:理A202

    講演者:中川 智之 氏(明星大・データサイエンス学環)

    講演題目:正方分割表における情報幾何学的視点からの対称性の検定統計量の分割について

    講演内容:分割表における多くのモデルについて,適合度検定統計量の数値的および漸近的な分割が研究されてきた.本研究では分割表における対称モデルの適合度検定統計量をどのように分割できるかについて情報幾何学的な観点から考察する.対称性モデルは双平坦(dually flat)な構造を持ち,e-平坦部分モデル(例:条件付き対称性モデル,準対称性モデル)と,これに直交するm-平坦部分モデル(例:グローバル対称性モデル,周辺同質モデル)の交わりとして特徴づけられる.この結果に基づき,対称モデルに対するWald統計量は,それぞれの部分モデルに対応する成分へと正確に分割できる.一方で,尤度比検定統計量をこのように正確に分割できるモデルはごく限られている.本講演では,情報幾何学と分割表における対称モデルの適合度検定統計量の正確な分割との関係に焦点を当てる.



    講演者:桃﨑 智隆 氏(東京理科大・創域理工学部)

    講演題目:多変量データにおける従属構造の推定について

    講演内容:近年のデータサイエンスの発展に伴い,高次元かつ複雑な構造を持つ大規模データの解析需要が高まっている.特に,変数間の従属構造の推定は,遺伝子ネットワーク解析,金融リスク管理,社会ネットワーク分析など,幅広い分野において重要な課題となっている.本発表では,Gaussian graphicalモデルとGaussian copula graphicalモデルにおけるベイズ推論とその計算アルゴリズムに焦点を当てる.Gaussian graphicalモデルは多変量正規分布に従う連続変数の条件付き独立構造を精度行列の疎性を通じて表現し,Gaussian copula graphicalモデルは多変量正規分布に従う潜在変数を通じて連続変数と離散変数を含む多変量混合データの従属構造を柔軟にモデル化することを可能にする. 高次元データにおいては,推定の安定性と解釈可能性を確保するため,縮小事前分布を用いたスパース推定が不可欠である.本発表では,まずBayesian Gaussian graphical (adaptive) lassoに関する最新の研究動向を概観し,効率的なGibbsサンプリングアルゴリズムについて議論する.さらに,Gaussian copula graphicalモデルに対して縮小事前分布を導入した新たなベイズ推論の枠組みを提案し,その計算アルゴリズムの詳細を示す.加えて,空間データへの拡張として,Gaussian processを導入したGaussian copula graphicalモデルを提案する.これにより,空間相関を持つ多変量混合データにおける従属構造の推定が可能となり,環境データや疫学データなどへの応用が期待される.本発表では,シミュレーション研究と実データ解析を通じて,提案手法の有効性を実証する.


  • 世話人(①主,②副)

    若木宏文・②伊森晋平・小田凌也・①橋本真太郎・門田麗


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