講演内容:本研究では,予測問題においてプラグイン予測分布の平均(プラグイン推定量)とベイズ予測分布の平均を二次のオーダーで漸近的にマッチングさせる事前分布の導出を行い,その性質について調べる.推定問題において,二乗損失関数のもとでのベイズ推定量である事後平均と最尤推定量を二次のオーダーで漸近的にマッチングさせる事前分布は積率一致事前分布と呼ばれ,Ghosh and Liu (2011) に始まりさまざまな研究がなされている.一方,客観事前分布に対する望ましい性質の一つとして,パラメータの一対一変換に対する事前分布の構成規則の不変性があり,有名なジェフリーズの事前分布はこの意味での不変性を有する.推定問題における積率一致事前分布は不変性をもたないのに対して,予測問題における積率一致事前分布は不変性をもつことが示される.追加の仮定をすることで,ベイズ予測分布の平均が二次不偏になるような事前分布も導出し,その事前分布もまた不変であることを示す.
講演内容:関数データ解析(functional data analysis)では,周期的な変化を持つ経時測定データを複数の観測系列と見なし,各観測系列を関数に加工した後で関数を分析するための方法が研究されている.しかし,各観測系列に含まれるデータがまばら,又はまとまって欠落しているような状況も少なくない.このような状況下では,各観測系列の軌道を正確に予測することが困難になる.そこで,sparse functional data analysisでは,全ての観測系列からの情報を活用して各観測系列に対する軌道の予測を行う.通常,そこで予測されるのは平均を表す軌道である.一方,極値解析(extreme value analysis)の文脈では,リスク評価のために平均ではなく高い分位点に関心がある.我々は,不完全な観測系列の軌道を極値解析の観点から予測するためのモデリング手法を構築する.
講演では,日別最高気温が示す将来の軌道を極値解析の観点から予測する.そのための提案モデルと関連する理論的性質について報告する.本研究は吉田拓真氏(滋賀大学)との共同研究である.
若木宏文・伊森晋平・小田凌也・②橋本真太郎・①門田麗