●●● 談話会 ●●●

2018年度

第1回

日時: 5月 29日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: 名古屋 創 氏 (金沢大学理工研究域)
題目: パンルヴェタウ関数のフーリエ展開について
Tea Time: 14:00−
要旨:パンルヴェ方程式のタウ関数の漸近展開について,1982年に神保によるモノドロミーデータを用いた展開公式が見出されていた.2012年にその一般化である2次元共形場理論の共形ブロックを用いた第6パンルヴェタウ関数のフーリエ展開公式が Gamayun, Iorgov, Lisovyy によって発見された.2009 年に提出された共形ブロックと4次元ゲージ理論の Nekrasov 関数が一致するという Alday, Gaiotto, Tachikawa による予想より,第6パンルヴェタウ関数のフーリエ展開は Nekrasov 関数を用いて記述されることになる.講演では,これらについての概説と神保・坂井および松平との共同研究で得られた q 差分パンルヴェ方程式のタウ関数のフーリエ展開公式を紹介する.

第2回

日時: 6月 12日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: 久保 亮 氏 (広島大学大学院理学研究科)
題目: 有限次元十字圭について
Tea Time: 14:00−
要旨:「カンドル (quandle) 」は所定の条件を満たす二項演算を持つ集合である.カンドルは 1980 年代に結び目理論の観点から Joyce, Matveev によって独立に定義された概念であるが,実際には特別な場合がそれよりも古くから知られていた.特に Takasaki は 1943 年に,現在でいうところの「対合カンドル」を「圭 (kei)」として定義し,研究を行っている.
Takasaki は同論文で,関連するいくつかの概念を定義している.例えば,圭の「次元」や,圭の特別な場合として「十字圭」などである.さらに論文では「有限次元十字圭は有限集合である」ことを証明し,次元に対して要素の個数を評価する不等式 (Takasaki の不等式と呼ぶことにする) を与えている.
本講演では,上記の内容について紹介し,主結果として「Takasaki の不等式の等号を満たす有限次元十字圭が本質的にただ1つ存在する」ことを示す.この結果から,Takasaki の不等式が最良であることや,有限次元十字形は常に然るべき商圭として実現されることが従う.
本講演は,赤瀬文章氏,権藤曉則氏(広島大学) との共同研究に基づく.

第3回

日時: 7月 24日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: 田丸 博士 氏 (広島大学大学院理学研究科)
題目: Discrete symmetric spaces, quandles, and their subsets
Tea Time: 14:00−
要旨:カンドルは結び目の研究に登場する概念であるが,現在では様々な分野において研究が行われている. 我々は,カンドルを離散的な対称空間,すなわち対称空間の多様体構造を忘れて点対称の性質だけを抽出したものと考え, これら両者を結びつけた研究を行っている.実際,対称空間の研究については多くの蓄積があり,そこで培われたアイデアは, カンドルの研究に極めて有益である. また最近では,カンドルの研究から対称空間の研究へのフィードバックも得られている. 本講演では,これらの研究の概観を紹介する.

第4回

日時: 7月 31日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: 伊森 晋平 氏 (広島大学大学院理学研究科)
題目: 異なる環境に対する予測について
Tea Time: 14:00−
要旨:将来観測されるデータ,あるいはターゲットとなるデータをテストデータと呼ぶ.テストデータに対する予測は統計学において重要な問題のひとつである.従来の統計的枠組みでは,現在観測しているデータ(訓練データ)がテストデータと同じ構造を持つことを仮定することで予測量を構築し,その条件下で予測量の妥当性を議論することが多い.しかしながら,共変量シフトのようにテストデータと訓練データ間で従う分布に差異がある状況も考えられ,その場合は従来法の妥当性が保証されない.本発表では,訓練データから構築された予測量を異なる環境に対して用いる際の統計的アプローチとその漸近的性質について先行研究を紹介し,その後,講演者の最近の研究成果について報告する.

第5回

日時: 10月 30日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: 東谷 章弘 氏 (京都産業大学)
題目: 整凸多面体のEhrhart多項式の特徴付け
Tea Time: 14:00−
要旨:整凸多面体における最も重要な不変量の1つに,Ehrhart多項式が挙げられる.整凸多面体PのEhrhart多項式とは,Pをn倍に膨らませたものに含まれる整数点の個数を数え上げた数え上げ函数であり,様々な観点(組合せ論,可換環論,代数幾何,最適化など)から研究されている重要な対象である.本講演では,整凸多面体のEhrhart多項式に関する基本的性質などを概観した後,Ehrhart多項式の特徴付け問題,つまり,どのような多項式が整凸多面体のEhrhart多項式として実現できるかについて,最近の研究結果も含めて紹介する.

第6回

日時: 11月 6日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: 小林 俊行 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
題目: 局所から大域へ-- 不定値計量をもつ局所対称空間の幾何と解析
Tea Time: 14:00−
要旨: 2018年は,リーマン幾何の枠組みを超えた等質空間の不連続群の本格的な一般理論が生まれてから30年になる. この若い分野は,独自の研究手法の開発を必要とすると同時に,リー群論・微分幾何・等質空間論・エルゴード理論・表現論・数論・組合せ論・偏微分方程式論など,多くの分野と関わり合いながら発展してきた. 談話会では,計量が正定値でない均質な「新しい楽器」を作ることができるか(擬リーマン多様体の不連続群論),その「音色」の特徴は何か(変形論とスペクトル解析)というお話を通じてこの30年間の発展と,最近の話題について紹介したい.

第7回

日時: 11月 27日(火)13:00−14:00
場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
講師: Kabanov Yuri 氏 (University of Franche-Comté)
題目: A multi-asset version of the Kusuoka hedging theorem for markets with small transaction cost
Tea Time: 14:00−
要旨: In the famous paper of 1995 Kusuoka showed that the binomial approximation of the price process given by a geometric Brownian motion does not lead to the Black-Scholes price of contingent claims in the presence of small transaction costs and calculated the discrepancy. We extend his result to the multinomial approximation of a multi-asset model of a currency market where the exchange rates are given by correlated geometric Brownian motions.

第8回

TBA

2017年度以前


Last Update: 2018.4.5
談話会委員 川下, 西森, 宮谷, 伊森, 久保

大学院理学研究科数学専攻