広島複素解析セミナー
Hiroshima Complex Analysis Seminar


2019年度

第4回

日時: 1月9日(木)14:35 - 17:50
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 小見山 尚 氏(名古屋大学大学院多元数理科学研究科)
題目: 多重ゼータ値とmould理論
前半:14:35 - 16:05
後半:16:20 - 17:50
要旨:
     多重ゼータ値とはある種の級数として定義される実数のことである。この多重ゼータ値は1990年代から盛んに研究されるようになり、現在ではモチーフ理論や結び目理論、数理物理学といった分野にも関わりがあることが明らかになってきている。
 さて、多重ゼータ値は2種類の積(それぞれシャッフル積、調和積と呼ばれる)を満たすことが知られている。2000年初頭、Racinetはこれらの積に関連する非可換多項式環上の集合(dmrと表される)がリー代数の構造を持つことを証明した。一方、Ecalleはbimouldと呼ばれる概念を用いてRacinetが示した主張をRacinetとは異なる方法で示した。
 今回の講演では、Ecalleによるbimouldを用いた証明の概説を行う。ただし、bimouldによる議論のために多重ゼータ値に関する知識が幾つか必要になる。そこで、この講演では多重ゼータ値の定義から始め、シャッフル積や調和積、及び幾つかの基本的な内容について説明する。これらの準備の上で、Ecalleによって導入されたbimouldの定義を確認し、Ecalleによる証明の解説を試みる。

第3回

日時: 10月25日(金)16:30 - 18:00
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 山中 祥五 氏(京都大学大学院情報学研究科)
題目: 2次元微分方程式系の可積分性とPoincaré-Dulac標準形への変換の収束性
要旨:
    平衡点近傍における解析手法として,ハミルトン系の場合にはBirkhoff標準形, 一般的な場合にはPoincaré-Dulac標準形がある. 一般に標準系への変換は収束するとは限らないベキ級数で与えられるが,Zung(2002)により, 解析的に可積分であれば平衡点の近傍で収束する変換により標準化可能であることが示されている. この結果により,平衡点近傍における可積分性は収束する標準形への変換の存在と標準形自体の可積分性から調べることが可能と考えられる.
このアイデアを適用し,ある2次元微分方程式系に対して,可積分であるための必要十分条件を与える. 特に,標準形への変換の収束性を示すためにBorel変換を用いる. また,平衡点を持つ微分方程式に対して,共鳴次数1以下のPoincaré-Dulac標準形は必ず可積分であるという講演者の最近の結果も用いる.

第2回

日時: 7月5日(金)16:30 - 18:00
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 佐々木 真二 氏(芝浦工業大学建築学部)
題目: 完全 WKB 解析における標準形の理論について
要旨:
    1次元定常状態Schroedinger方程式の、完全WKB解析的な標準形の理論について考える。
青木-河合-竹井(1991)による標準形(Airy, Weber)への変換級数の構成および Gevrey 評価以来,
様々な標準形への変換の構成および Gevrey 評価が与えられてきた(小池 etc.).
また, 神本-小池により, いくつかの場合に変換級数のBorel総和可能性も示された.

本セミナーでは, 上述の種々の変換について, 統一的な視点から変換級数の構成を述べる。
また, その応用としてガウスの超幾何方程式への変換の構成およびそのBorel総和可能性を示し、
さらにそれを使ったいくつかの計算を提示する。

第1回

日時: 6月21日(金)16:30 - 18:00
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 蛭子 彰仁 氏(千葉工業大学情報科学部)
題目: 差分方程式の変換公式とその応用
要旨:
    本講演では、線型差分方程式の不変量を導入し、その応用として、
  1. 超幾何関数の変換公式を系統的に構成すること、
  2. 線型差分方程式を不変量の立場から分類すること
を見る。


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世話人

神本晋吾 (広島大理)
佐々木 良勝 (近畿大工)
下村 哲 (広島大教育)
滝本 和広 (広島大理)
平田 賢太郎 (広島大理)
水田 義弘 (広島工業大)
吉野 正史 (広島大理)


Last update: June 25, 2019

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