●●● 談話会 ●●●

2025年度

第1回

日時: 9月11日(木)13:30−14:30
場所: 理学部E209
講師: 長郷文和 氏 (名城大学)
題目: トレースフリー指標多様体を用いたノットコンタクトホモロジーの Ng 予想の解決
要旨:  結び目群の $SL(2,\mathbb{C})$ 指標多様体において,メリディアンの指標を 0 に制限した部分多様体をトレースフリー指標多様体 (trace-free character variety) とよぶ.トレースフリー指標多様体は,$SU(2)$ 版において,結び目の符号数 (signature) のゲージ理論的解釈を与えることが X-.S-.Lin 氏(1992 年)によって示されており,非常に興味深い対象である.この事実を動機付けとして,ゲージ理論においては,traceless character variety という名前で活発に研究が行われている.

 講演者が $SL(2,\mathbb{C})$ 版のトレースフリー指標多様体の構造解析をスタートさせた頃,L. Ng 氏によって knot contact homology が導入され,
  「abelian knot contact homology の指標多様体との同型対応(Ng 予想)」
が提案された.Lin 氏から
  「abelian knot contact homologyとtrace-free character varietyは似ている」
というコメントを頂き,そこから,Ng 予想の研究が始まったという経緯がある.

 本講演では,最近,講演者によりトレースフリー指標多様体を用いて解決に至った Ng 予想に対するアプローチを解説する.特に,Ng 予想が成立するための必要十分条件と,Ng 予想の反例について解説する.

第2回

日時: 11月5日(水)14:35−15:35
場所: 経済学部B251
講師: 下條昌彦 氏 (東京都立大学)
題目: 放物型方程式と力学系理論
要旨: 反応拡散方程式とは,粒子の拡散と生成消滅が組み合わされた非線型放物型方程式のことである.本講演では力学系理論と反応拡散方程式の定性的理論との関わりを概説する.具体的な例として生物種の侵入現象を記述する Fisher-KPP 型方程式のフロント波解について説明する.

第3回

日時: 12月9日(火)13:00−14:00
場所: 理学部E210
講師: 伊藤浩行 氏 (東京理科大学)
題目: 正標数代数曲面の準ファイブレーション構造
要旨: Bertini の定理の不成立に起因して,正標数代数曲面には一般ファイバーが特異代数曲線であるファイブレーション構造を持つものが存在する.代表的な例として標数が 2, 3 で存在する準楕円曲面が知られているが,楕円曲面の「退化」した曲面として,代数曲面の分類では重要な役割を果たした.
 本講演では,準楕円曲面の一般化である,任意の正標数における代数曲面の準ファイブレーション構造について最新の話題を含めて紹介する.

2024年度以前


談話会委員 木村, 石原, 藤井

大学院先進理工系科学研究科数学プログラム